勝手なことをするな

【読み方】

かってなことをするな

【類語】
  • 言われたことだけやれ
【使用例】

上司「自分の頭で考えて、主体的に自立して仕事しろ。」
部下「このような改善案を考えたのですが、いかがでしょうか?」
上司「何だこれは。勝手なことをするな!」

【本来の意味】

「勝手」には、下記の意味がある。

他人のことはかまわないで、自分だけに都合がよいように振る舞うこと。また、そのさま。

[出典:デジタル大辞泉]

 

つまり、「自分だけに都合が良いことをしてはならない」という意味である。

【ブラックな意味】

普段からこの言葉の発言者が聞き手に「自分の頭で考えて行動しろ」「主体性を持て」「自立しろ」「自分から進んでやれ」としつこく言っておいた上で、発言される言葉である。

【本来の意味】の項目で記述した「勝手」の意味には、「自分だけに都合が良いように」とあるが、そうではなく、他者(この発言をする上司等)を気遣った上で、主体的に行動しても、このブラック用語を言われる。

この言葉には、「おれの気に障ることをするな」という意味が込められている。発言者のその時々の気分等によって、気に障ることが変化し、また、気に障る閾値が非常に低いため、この発言を避けるのは、難易度が高い技となっている。

この発言をする人は、以下のような心理状態にある。

・相手をコントロールしたい。支配したい。
・自分が相手よりも上の立場、絶対的権威、上流国民といった存在になりたい。
・自分の教えで部下が育ったと信じたい。
・説教や怒ってストレスを発散したい。

 

相手の自立を求めず、システマティックに業務を遂行するという方針の場合は、「勝手なことをするな」と発言するのは有効かつ正当な言葉であるが、相手に自立を求めておきながら、自立とは相対するこの言葉を発言するのは、矛盾した言動である。

普段からしつこく自立を求められている環境下で、この発言をされた人は、頭が混乱し、精神的負荷になり、委縮し、モチベーションが非常に下がる。何をやっても結局、怒られるので、もう何もしたくない、そっちの方がまだ体力も精神力も減らさずに済むと防衛本能が働き、無気力になり、ますます自立しなくなってしまう。

「勝手なことをするな」という言葉以外でも、相手が会社のためになると思い、主体的に行動したことに対して、何かと批判やら説教やらをして、相手を委縮させる。

この言葉やそれに相当する批判、説教をする人は、自分の発言が相手の自立、主体性をなくす要因になっていることに自覚がなく、逆に、自分の発言が相手の成長に繋がる教育になっていると思い込んでおり、非常にたちが悪い。

「自立しろ!⇒勝手なことをするな!⇒自立しろ!⇒勝手なことするな!⇒…」のコンボで、相手のやる気は0に近づいていく負のループであり、「ずっと上司のターン」⇒「もうやめて!部下のライフはゼロよ!」状態である。

 

部下が成長しない、自立しないと愚痴って嘆いている上司が世の中に多いが、その上司の中には、自覚症状なしで、部下に対して上記で述べたようなコントロールをし、部下の成長、自立を妨げいる人が多くいる。

このような発言をする上司に向かって「勝手に部下の成長、自立を妨げるな、会社の不利益に繋がる勝手なことをするな」と言ってやりたくなる。

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