【読み方】
いいわけするな
【類語】
【使用例】
上司「なんで昨日頼んだA案件の資料ができていないんだ?理由を言え。」
部下「A案件の資料作成を依頼された後、新たに優先度と負荷が高い仕事を依頼され、そちらを優先する代わりに、A案件の資料作成納期は1週間後にするとお互い同意しましたので、A案件の…」
上司「言い訳するな!」
【本来の意味】
「言い訳」には、下記の意味がある。
① 自分の言動を正当化するために事情を説明すること。また、その説明。弁解。
② 筋道をたてて物事を説明すること。解説。[出典:大辞林 第三版]
①の意味のように、自分の過ちを取り繕うために自己正当化の説明をすることがある。
そのような発言に対して「言い訳せず、今後の改善に活かすために、状況を正確に説明してください」といったように状況把握、改善のために②の意味で言い訳をするように促す目的で、「言い訳するな」という言葉を用いる。
【ブラックな意味】
部下が【本来の意味】の項目で記述した①の意味ではなく、②の意味で状況説明のために言い訳を述べたときにおいても、上司に「言い訳するな」と言われる。
つまり、上司は「理由を言え」と言っていても、実は理由は全く知りたくない、知る必要はないと考えているのである。「おれが言った通りのこと、頭の中で考えていることを正確に実行しろ。それ以外は、どんな理由を述べても無意味だ。」という論理展開が上司の頭の中で行われており、その思考が「言い訳するな」という言葉に込められている。
まさに、部下を「故障しない精密かつ上司の頭の中を読み取るテレパシー能力を保有し、上司の思い通りに動くロボット」と捉えた発言である。
正当な理由を説明しても、クレーマーが自分の思い通りに動かない店員やシステム(電化製品やスマホアプリ等)に対して行う怒りの言動と同類である。
さらには、責任の所在をあえて不明確にするために用いられるケースも多々ある。
上司によっては、「言い訳するな」と怒ることが既定事項の上で、【使用例】の項目で示したように、「理由を言え」と言うときがある。
この発言には、本当に理由が知りたくて、反射的に「なんでだ?」という疑問から出た言葉の場合と「部下に理由を聞いてあげている、おれは他者を尊重している、優しい!」といった自分都合な思い込みによる自己満足な言葉として発言される場合がある。ただ、どちらの場合にせよ、言われた方には何のメリットもない。
そもそも「過ちを隠すための言い訳」と「状況説明のための言い訳」どちらなのかは、言い訳をした発言者の頭の中を読み取るしか術がない。
そのため、過ちを隠すための言い訳をしたと解釈し、「言い訳をするな」と発言しても、実は違っていたということが多々ある。そうなった場合、その発言を受けた人のモチベーションが下がり、生産性が低下する。
よって、「言い訳するな」という言葉は使用せず、理由が知りたければ、他の言葉で理由を述べさすように促すことが無難である。
また、「言い訳するな」と発言する人に限って、自己正当化のための本当にしょうもない「言い訳」をする現象がよく観察される。
コメント