【読み方】
やるきあるの
【類語】
- やる気あるのか
- 本気でやってる?
【使用例】
上司「どうしてそんなにするの遅いの?やる気あるの?」
【本来の意味】
「やる気」には、下記の意味がある。
進んで物事をなしとげようとする気持ち。
[出典:デジタル大辞泉]
つまり、「やる気あるの?」とは、「進んで物事をなしとげようとする気持ちがあるのか」と問う意味である。
【ブラックな意味】
進んで物事をなしとげようとする気持ちがあったとしても、以下のような状況において、部下を罵るために使われる言葉である。
- タスクの実行が遅く見えたとき
- ノルマを達成できなかったとき
- 努力しているように見えなかったとき
「タスクの実行が遅く見えたとき」
タスクの実行速度は、「タスクの量」、「タスクの質」、「他タスクとの調整」、「タスク実行者の能力」等によって決まることが多い。
そのため、タスクにどのぐらい負荷が掛かるかの上司の見積もりが甘く、やる気があってもタスクの実行が遅いように見えるときがある。
逆に、見積もりがいい加減なため、見積もりより簡単なタスクを素早くやったり、高品質に行うと、やる気があまりなくても、高評価されることがある。
また、指示されていないことについても、常に変わり続ける上司の脳内を超能力で読み取り、先回りして、そのタスクを自ら実行しないと、やる気がないと判断される。
「ノルマを達成できなかったとき」
ノルマが達成できるかどうかについては、上記で述べたような要因、さらには、強い外的要因によって、ノルマの達成が非常に困難なときが多々ある。
そのため、やる気だけでは、どうこうできない状況が多いが、その上で、やる気があるのかと責められるため、既に全力でやっている人がこの言葉を受けると、精神に異常をきたすことがある。
「努力しているように見えなかったとき」
精神論好きな日本の昔の人らは、効率よりも汗水垂らしているかどうかを評価する。
効率性を求めるにも努力を必要とするはずだが、この言葉の発言者は、汗水を垂らしていない場合は、努力と見なさず、やる気がないと判断する。
日本社会でよく言われている、残業するほど評価が上がり、残業しないとダメ人間扱いされることと同じ理論である。
「今まで1つ1つ手動入力だったタスクをExcelでマクロを組んで効率化させたら怒られた」という滑稽な話があるが、それも同様の話であり、Excelでマクロを組んで効率化させることは、やる気がないと思われるのである。
現在(少なくとも2015年時点では)の日本社会においては、いかに非効率で無駄なことを「すごいがんばりました」と誇張してやるかが、評価において重要になってくる。
本当にやる気があり、先を見通して、効率的に励んでいる人より、実は、やる気がない人の方が、やる気があると評価されることが多々ある。
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